ATP試験 スライムコントロール剤の新評価法

スライムコントロール剤

スライムコントロール剤は工程中の微生物に作用し、トラブルの原因となるスライムを抑制させる薬剤です。
その効果を知るためには薬剤が微生物に与える影響をみることが必要です。
スライム:微生物がつくる粘質性物質。その他、パルプや無機分などの成分も含まれていることが多い。

これまでの分析法とその問題点

これまでは培養法により微生物数を測定し、薬剤の評価を行なっていました。
この方法は実績があり信頼性の高い結果が得られますが、培養時間が必要なため、
結果の判定までに長時間を要すという問題点があります。
現場の状況は刻一刻と変化しますが、この方法ではそれに完全に対応できません。

迅速評価法の採用

そこで当社では即結果を得られる試験法としてATP法を採用しております。
ATP法の測定の特徴は、なんといっても試験自体の迅速性、簡便性にあります。下表に培養法(従来の方法)との比較をまとめました。

  ATP法 従来法(培養による菌数測定)
所要時間 数分〜30分程度(測定自体は1分程度) 48〜72時間(培養時間含む)
測定操作 試薬を入れるのみの簡便な操作 慣れが必要
菌、カビ等の区別 不可(区別なく測定する) 培地により選択できる
分析スペース 少ない それなりのスペースが必要

以上のように、簡単な試験で、しかも従来法に比べ大幅に試験時間を短縮できます。
従来の培養を用いた微生物試験法では、結果を得られるまでに48〜72時間かかっていましたが、ATP法では結果を即座に知ることができるので、試験期間を大幅に短縮することが可能です。
よって、これまでのように培養時間を待つことなく、即座に異常を発見、対応することにより、トラブルを未然に防ぐことが可能となります。また、原料スラリーやデンプンなどの腐敗もその場ですぐに判定できます。

従来法(培養法)とATP法を組み合わせ、確実できめこまやかな微生物対策を行なうことが出来ます。

ATPとは

ATPとはアデノシン3リン酸(Adenosine Tri Phosphate)の略で、生物の細胞中に必ず存在する、
すべての生命活動をつかさどる重要な化学物質です。
当然、微生物はATPを含有しているので、そのATP量を測定することにより、微生物量を知ることができます。

測定原理

蛍の発光にもATPが働いており、蛍の尾部の発光器で起きる図のような酵素反応によって、ATPの消費に伴い光を放出しています。

蛍の発光反応

この反応で得られる発光量はATPの量に比例するので、図に示すように微生物中のATPを抽出し、これに発光試薬としてルシフェリンとルシフェラーゼを加えて、得られた光を定量的に計測すれば、サンプル中の微生物の総量を知ることが出来ます。

ATP法の測定原理

現場測定例

ATP値及び菌数値変動

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